次は、リヤブレーキが引きずってしまっているので、キャリパーのオーバーホールを行います。
画像からは分りませんが相当な固着具合でして、ピストンを抜き取るのに非常に難儀してしまいました。
ブレーキのピストンにはマスターシリンダーで入力された油圧が掛り、
ピストンによって押し出されたブレーキパッドがディスクを挟んでブレーキを掛けています。
なのでこのピストンの裏側にはブレーキフルードが入っていて、それが漏れ出さない様にシールされています。
ピストンの奥に砂やゴミが入らない様にする『ダストシール』と、ブレーキフルードが漏れないようにする
『ピストン(オイル)シール』です。
先の説明で『ブレーキ作動時にはピストンが押し出され』ますが、
じゃあどうやったら押し出されたピストンが戻るのかと言いますと、
当たり前の話ですが、ゴムは伸ばすと元に戻る特性がありますよね?
この特性を生かしてピストンを戻しています。
詳しい説明は↓↓↓にありましたので、興味がある方はご覧になって下さい。
https://bike-lineage.org/etc/question/discbrake_system.html
では、何でブレーキが引きずってしまうかなのですが、
ブレーキフルードが漏れない様に取り付けられている『ピストン(オイル)シール』の溝の中に
入り込んだブレーキフルードが結晶化して、それがピストンの戻りを妨げてしまう事により
ブレーキの引きずりが発生します。
これも上に添付させて頂いた資料に記載がありますね。
で、ようやくその問題のピストンシールの溝部分の画像です。
溝の中の白っぽいグジャグジャした物体が『ブレーキフルードが結晶化』した物です。
これを綺麗に取り除かないといけないのですが、ここで必ず使用する秘密兵器がこれ!
チャッチャラ~!ストレートツールの『キャリパー ホジ郎』君です!
変な名前してますが、非常に良い仕事をしてくれます。
こんな感じで溝の中をごりごりしますと・・・
こんな物が取り除け・・・
ほ~ら、こんなに沢山出て来ます!
綺麗に掃除をしたら、新品のシール類を組み付けて、
ブレーキフルードを交換、エアー抜きをして完成です!
その③へ続きます!